ジムで登る楽しみのひとつ、ホールド替えを楽しもう!

こんにちは、クライミングジムスタッフの たっくん です。
ボルダリングを始めてしばらく経つと、通っているジムで「ホールド替え」というワードを聞いたり、お店のWebサイトやお知らせ板で見たりすることがあると思います。

「ホールド替え」はインドアでのクライミングの楽しみの一つ!
今回は「ホールド替え」とは一体なんなのか?どういう風に楽しめばいいのか、ボルダリングを始めたばかりの初心者の方へ向けてご説明いたします。

そもそもホールド替えって何だろう

壁に付いているホールドをすべて外し、新たに付け替えることで、課題をリニューアルする事を指します。

例えばパズルを組み立てる時、一度も組み立てたことのない初めての組み立ては楽しいですよね!組み立てが完成した後、同じパズルをバラしてもう一度やってみると組み立てた記憶が残っていて初めてやったときよりも簡単にできてしまうことがあると思います。3回目以降になると手順や動きを知っているので、繰り返す回数が増える毎に楽しみや興味が段々薄くなっていくと思います。
ボルダリングの課題も同じように、登り終えた課題は反復トレーニングでもない限り何回も同じ課題を登ることはないんじゃないでしょうか。
段々と出来る課題は殆ど登ってしまい、出来ない課題は何度も何度も挑戦して、なかなかボルダリングが楽しめないマンネリ化しちゃうことがあります。

そんなお客さんにさらにジムでのボルダリングを楽しんでもらえるように行うのが「ホールド替え」です!
壁に付いているホールドをすべて外し、新たに付け替えることで、課題をリニューアルする事、それが「ホールド替え」です。

ホールド替えの手順

ホールド替えはどんな手順で行うのでしょうか?細かい部分はジムによって異なるとは思いますが、大まかな手順をご紹介します。

壁からホールドを外す

まずは今まで壁に付けていたホールドをインパクトドライバー(回転と打撃でネジなどを取り付けたり、外したりする電動ネジ回し)を使ってすべて取り外します。
ホールドは基本ボルトとビスで固定されています。
ボルト:壁に定間隔で設置されたボルト穴にホールドを固定する。強度が高く、荷重でホールドが外れる事は稀。 ビス:壁に直接ネジを固定する。長期的な強度は低く、例のようにボルトと併用し、ホールドに対して様々な方向から荷重が加わった際にホールドが動かないように固定する際に多用される。

ホールドと壁の洗浄

ホールドの表面にこびり付いたチョーク、シューズのゴムや皮脂汚れなどを高圧洗浄機や専用の薬液を使って、1つ1つ丁寧に洗浄します。
壁面はタオルなどで水拭きします。壁面のニスの剥がれや汚れがひどい場合は、ニスの塗り直し等を行うこともあります。

汚れたホールドをひとつひとつ手作業で洗浄するのは一苦労…

濡れたホールドを乾かす

壁面の材質は水に弱いものが多いので、洗浄後のホールドをそのまま取り付けると壁面が傷みます。
サーキュレーターや大型扇風機などを使って風を当てて、ホールドの接地面を乾燥させます。

ホールドのセット

ホールドを並べて新たな課題を壁面にセッティングすることを「セット」といいます。
課題を作るセッターが登るイメージやトレーニングでこの動きをやってほしいという想いを込めてホールドの配置を決めていきます。

課題の面白さはセッターの力量によって決まるため、ホールド替えの一番重要な行程あることは間違いありません。
ジムのスタッフが全ての壁をセットをするジムもありますが、クライミング業界にはプロセッター(ホールドのセットを依頼され、報酬を受取る人)という職業があり、外部のプロセッターに依頼して課題を作ってもらうジムも多くなっています。

プロのセッター課題ってなにが違うんだろう?

プロのセッターとは、コンペ(コンペディションの略:クライミングの競技大会)やクライミングジムで課題のセットを行うことで報酬を得て生計を立てている人の事を言います。
実はれっきとした資格もあって、国際ルートセッター(国際スポーツクライミング連盟 公認)という国際大会(IFSCワールドカップなど)などは厳格な試験をクリアした人だけがセットできる大会もあります。

クライミングジムのスタッフでも課題は作れるのになぜわざわざお金を払ってまで、クライミングジムはプロのセッターにセットを依頼するのでしょうか?
その理由は、ジムにもお客さんにとっても様々なメリットがあるからなんです。

メリット1:課題が面白い!

例えば、パスタの創作メニューを作ろうとなったとき、一般の人よりも料理のプロの方が創意工夫が施されているものが出来上がりますよね。

プロのセッターは今まで様々なクライミングを経験し、大会や自然の岩場で実績を残していたり、セットが面白い(トレーニングに良い)という口コミで評価されている方が多く、課題作りの熟練度が非常に高い方ばかりです。クライミングの動きやトレーニングをロジカルに捉えらている方が多く、先に紹介したルートセッターの資格を取得している方や、ルートセッター講習会や交流会などにも参加し、日々ルートセットについて勉強・研究している方々です、

そのため創造する課題は、難易度が易しくてもある特定のムーブ(動き)ができなければ(思いつかなければ)登れなかったり、ホールドの形状や特徴を最大限に活かしたの使い方だったりと、クライミングジムに通うクライマーを楽しませたり、クライミングを強くなるための要素が多く詰められています。

メリット2:セッター毎の作る課題に特色や違った面白みがある!

セッターのいままでのクライミングの経験や実績もそれぞれです。
課題に対する考え方などはセッター毎にそれぞれ違います。
色々なバックグラウンドから創造された課題は、作成者特有の面白さがでてきます。

メリット3:課題がマンネリ化しない!

クライミングジムのスタッフが面白い課題を作れないというわけではありません。
しかし毎回毎回、同じ人がホールドセットをしているとその人の得意な動きが頻発したり、ムーブの引き出しをやり尽くしてしまい、目新しい課題が出てくることがありません。

「前やったなこの課題…」と思われてしまう様な、ホールド替え前と変わらない課題ができてしまう可能性があります。
お客さんに課題のマンネリ化を感じさせないためにも、毎回異なるセッターさんに課題作成をお願いすることがあります。

ホールド替えを楽しもう

では、ホールド替えはどのように楽しんだらいいのでしょうか?

ホールド替え前に目標を登りきる

ホールド替えの期間が発表されたら、まだ登れていないけど登りたい課題を一つ決めて、ホールド替えで課題がなくなってしまう前に登れるできるようがんばってみましょう!
期日が決まっている分いつもよりもやる気が出て、トレーニングにメリハリがつくと思いますよ。

初めてのトライを楽しむ

課題が変わったら、今までできていた難易度の課題を一撃でできるようにチャレンジしてみましょう!

簡単にできるようになった難易度の課題でも、一撃で終わらせることはとても難しいものです。
課題を登る前にどのような手順足順で登れそうなのか考える(=オブザベーションと言います)ことでクライミングの能力を上げましょう!
大げさではありますが、その課題に初挑戦できるのは人生で一度限りです。一生で一度限りの挑戦で登りきれたときの達成感は格別ですよ!

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まとめ

ホールド替えによって、課題が定期的に変わるということは、ジムで行うボルダリングの利点です。
ジムにとっては大変な仕事ですが、そのジムに通うクライマーにとっては一番の楽しみでもあります。
新たに作られた課題にチャレンジして、以前登りきれたけれど、苦戦した難易度の課題が簡単にできるようになっていたり、思いもつかなかった動きが新たにできるようになったら、嬉しいですよね!

色んな人に楽しんでもらえるよう、スタッフやセッターは真剣に試行錯誤してホールド替えをしています。
通っているジムの課題がリニューアルされた時は、思いっきり登って楽しんじゃいましょう!